「お願い事してもいい?」と、ロウソクの火を石灯籠の中に灯します。
ミモロが灯すのは、「伏見稲荷大社」の「宵宮」での「万灯会」の石灯籠です。毎年、土用の丑の日の前後の日曜日に行われる「本宮祭」に先立ち行われる「宵宮」。夜の稲荷山にのぼり、そこに点在する石灯籠に本殿で灯した火を移しながら、祈願する神事です。
山の社を巡るように続く鳥居の参道沿いに、石灯籠が立っていて、そこで参加者は、協力しながら火を灯すのです。
石灯籠は、背の高いものもあり、そこに火を灯すには、ひとりではむずかしく、みんなで力を合わせます。
毎年、参加者が増え、今回は、20人ほど。全国から訪れ、初めて参加する人も、半分以上いらっしゃいます。そこで、このコースだけかもしれませんが、参道の石灯籠を見つけると、ミモロたちベテランの参加者は、初めての人を最優先して、「どうぞ、初めての人で、まだ、ロウソクともしてない人いませんか?」と声を掛け、全員が祈願できるように、自然と譲り合うようにしています。
石灯籠の中にロウソクのお皿の芯の部分に火を移すのは、ちょっとコツが必要。一人でするには、提灯をどこかに置かなくてはなりません。「地面の上に置いちゃだめだよね~」と思うミモロたちは、他の人のために、提灯を支えます。光が周囲の闇を照らし、なんとも神秘的。
「こういう経験初めてでした。すごく感激しました」と、ベルギーからの初参加の方も嬉しそう。この日、初めて出会った人たちですが、協力し合ううちに、すっかり打ち解けていき、仲間意識が…。
「ミモロちゃん、やったの?」と小柳さんのママ。「ううん、まだ~」と、人のお世話に忙しかったミモロは、「もうみんな1回は、経験した?」と参加者を見回します。「もうやりました」との声で、「じゃ、ミモロもやろう~」と、参加者の人に支えられながら、ロウソクを灯します。
あまり火に近づきすぎちゃアブナイ!焦げる!ミモロには、注意が必要です。
ロウソクのお皿を石灯籠の中に戻します。
燃えにくい紙で覆われた石灯籠の火を見つめ、「どうぞ世界中の人が平和に暮らせますように…」と祈ったミモロ。ニュースで目にする世界情勢に、心が痛みます。
「はい、これで大丈夫!」と、みんながミモロのロウソクを中に入れて下さました。
「ママって、昔、イスラエル観光協会の招待で、エルサレムやテルアビブなどいろんな場所にに行ったんだって。その時、パレスチナの人のお家にも呼ばれてお茶ごちそうになったこともあるって…。その時撮影した写真は、どこも穏やかで美しいの。また死海に浮かんで遊んだりしてるの…。今は、観光では入れないね~その時の写真見ると、ママ悲しそうなんだ~破壊された場所もあるんだって…」とミモロ。オーストラリアで暮らしていた時は、ユダヤ人のお友達とお家をシェアしていたことも。気づかぬうちに、世界は変わっていたのです。ミモロは、神社仏閣に参拝するたびに「平和」を祈るようになりました。
すでに山を歩いて2時間近く…。
コース内の石灯籠への点火も終わったようです。「みなさんお疲れ様でした。お茶どうぞ飲んでください!」と休憩できる茶店でひと休みして、山を下ります。
猛烈な暑さの中、汗でビッショリの参加者のみなさん。かなり疲労も感じますが、でも顔には、満足感も…。「お世話になりました~また、いつか~」と、記念撮影後、それぞれ山を下りました。
「う~お腹空いた~」とミモロ。提灯を社務所に戻し、お家へと向かいます。
すでに21時を過ぎた時刻ながら、山に入る外国人観光客の姿も途絶えることはありません。「京都って、夜、遊びに行けるところ少ないから…ここに来るのかもね~」と思うミモロ。確かに、夜、歩ける神社仏閣は、ほとんどありませんから…。マナーのいい参拝者ばかりだといいのですが…ちょっと心配…。
「ミモロちゃんといっしょにお山に入れて楽しかった~」とおっしゃる初参加の方とご一緒に、京阪電車の駅に向かいます。
車中で、いろいろお話しながら…ブログを通じて結ばれるご縁に感謝するミモロです。
*「伏見稲荷大社」の詳しい情報はホームページから
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